私たちはたまたまスムーズだっただけ
前回の記事では、私たち家族が療育に出会うまでのことをお話しました。
見学に行き、相談をして、診断までたどり着くまで——
文章だけ読むと、トントン拍子に進んだように見えるかもしれません。
でも実際は、不安や迷いがたくさんありました。
「これで良かったのかな?」
「焦っていなかったかな?」
そんな気持ちを、今もふと思い出すことがあります。
私たちは、たまたま“スムーズ”に見えただけだったのかもしれません。
焦る気持ちと、待つことの葛藤
2歳から保育園に通い始めたうちの子。
2歳半で診断を受けるまでの間、保育園では言葉や生活面のことで
先生から指摘を受けることが何度もありました。
でも当時の私は、「まだ慣れていないだけ」と
どこかで受け止めきれない気持ちを抱えていました。
「本人なりに頑張ってるから大丈夫」
そう思いたくて、自分の気持ちをごまかしていたのかもしれません。
診断が出て、療育先が決まるまでの期間は20日ほど。
先生方から「とても早いですね」と驚かれたくらいです。
それでも、私の心はまったく追いついていませんでした。
療育が始まってから、ようやく自分の気持ちに向き合う時間が増えて、
毎日、心の中で「これで良かったのかな」と問い続けていました。
ママの心が置き去りにならないように
ある日、保育園の先生の顔を見た瞬間、
気持ちがあふれて涙が止まらなくなってしまいました。
そんな私に、先生がかけてくださった言葉は、今でも忘れられません。
「ママの気持ち、少しずつでいいので話してください。
ママの心を一番大切にしてください。
子どものためだけの療育ではなく、家族のための療育なんです。
だから、ママが無理しないように・苦しくないように気持ちを大切にしてくださいね。」
この言葉に、私はようやく「自分も苦しかったんだ」と気づけたのです。
大事なのは、“自分たちのペース”で進むこと
発達の道も、療育との出会いも、どれも家族それぞれのストーリーがあります。
他のご家庭では、ママが診断を受け入れるまでに1年かかった、という話もありました。
「両親に理解してもらえず、孤独だった」と話す方もいました。
だからこそ、私は伝えたいのです。
焦らなくていい。自分たちのペースで進めば大丈夫。
一歩進んで、立ち止まって、また戻る。
そんな風に時間をかけて見えてくることも、きっとあるはずです。
ひとつずつ、ゆっくりでいい
「何もできていない」なんて感じる日があっても、
子どもと笑いあえたら、それだけでちゃんと前に進んでいます。
情報に押し流されず、まわりと比べず、
「今の自分にできること」をひとつずつ、見つけていけばいい。
私も、今まさにその途中です。
子どもの小さな手を握りながら、ゆっくり、ゆっくり。
一緒に、まだ見ぬ世界へ歩いています。


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